私は日経新聞が大好きなわけですが、中でも「経済教室」欄は愛読しています。その中から、保存版とも言うべき寄稿をまとめました。
- 天野友道ハーバード大学助教授、イノベーションの普及阻む「組織の壁」、2024年12月30日、小売店で有能な店長、凡庸な店長で売上が異なることを検証。しかも、それが新製品の市場浸透に影響を与える、と
- 岡崎哲二明治学院大学教授、24年のノーベル経済学賞、国の豊かさに制度の影響解明、2024年10月25日、ノーベル経済学賞を受賞したMITのアセモグル教授の功績を分かりやすく解説。遡ってノース教授の評価まで
- 吉村典久関西学院大学教授、企業統治の課題、親企業超える子会社再興を、2024年9月24日、日本における新規事業の創出はスタートアップではなく事業のスピンオフにあるというのは説得力あり。経産省もこっちにかじを切るべきでは?
- 飯塚敏晃東大教授、医師の働き方改革、地域医療に悪影響避けよ、2024年9月16日、「医師の働き方改革」が地方の医療提供の低下につながっている、と サラッと、「医師・歯科医師・薬剤師調査の個票データを使った」と述べられているが、けっこうデータ整備に手間がかかりそう。労作に頭が下がる
- 西口尚宏上智大学特任教授、イノベーションの国際規格、自社を客観評価、2024年8月16日、ISO56000シリーズでは、イノベーション経営が定義されている、と
こういう取り組みはいいよね。属人化から標準化という観点で - 渡辺安虎 東大教授、AIは仕事をどう変えるか、2024年6月13日、従来の IT による生産性の向上は、もともとスキルが高い人に資したのだが、今回の AI の生産性の向上はむしろ スキルが低い方がより多くの恩恵を受ける、と
- 岡崎哲二明治学院大教授、歴史的円安、過去の「成功体験」見直す時、2024年6月25日、超長期でドル円の為替レートを分析して、政府の異次元緩和は円安誘導の狙いもあったのではないかと喝破 戦前の高橋財政ってそういうことだったのか
- 小林庸平米戦略国際問題研究所客員研究員、米国に学ぶEBPM 未来志向で政策改善を支援、2024年3月21日、YearUPと呼ばれる若年層向けの就業支援プログラムのエビデンスが検証されている 日本への提言として、EBPMを推進する人材確保のため制度改革というのも興味深い
- 白石賢東京都立大学教授、企業の不祥事と倫理(1) 利益確保に走る企業の思惑、2024年1月18日、HBSのペイン教授の研究をひいて、コンプライアンスを「法令遵守型」と「価値観共有型」に分類 実効性があるのは後者と結論付ける
- 中林純京都大学教授と川合慶東京大学教授、ソフトな規制と罰則併用を 談合はなくせるか、2023年12月13日、入札データから談合の存在を想定し、その企業に証拠書面を送って行動の改善を促すという 実際に効果あったみたいだし、ただ敬服
- 横山泉一橋大学教授、要請、生産性波及には限界も 賃上げへの課題、2022年2月17日、ビューリーの研究も引きつつ、賃金上昇が生産性向上に結びつくわけではないことを解説している。後半の「ギフト交換モデル」も納得
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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