講師という仕事柄、「人が学習する仕組み」には興味があります。テクノロジーの進歩で大きな変革を迎えそうな予感。
原発デブリの取り出しもバーチャル・リアリティーで?
まずビックリしたのがVR (バーチャル・リアリティー)の活用。
【MBAの心理学】バーチャルリアリティでけん玉を練習すると、本物のけん玉もうまくなる。ポイントは、VRの中ではスローモーションで練習できること。イマクリエイトが開発したシステムの実績では、1182名の体験者のうち1087人が難しい技を習得した。の写真/stux: Pixabay pic.twitter.com/E5RREekXTv
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) December 3, 2024
ホントかよ、と思いつつも、1000人以上の人が体験したのだから本当なのでしょう。
この投稿ではは対象がけん玉とのことですが、バーチャル・リアリティーというのは、「危険で人間がイケない状況」みたいなところでこそ真価を発揮すると理解しています。そうすると、たとえば今話題になっている原発の廃炉のためのデブリの取り出しにも応用できると思いました。
バーチャル・リアリティー環境で機械の操作を習熟すれば、実際に放射線量が高くて人間が近づけない環境でも、よりスムーズに取り出しができるようになったりして。
お次の面白いのがエクソスケルトン。
【MBAの心理学】ピアノ上達にはエクソスケルトン(外骨格)が効く。ピアノ上級者の動きを機械の力で再現し、人間の指がそれに合わせて動く。たとえ難しい動きでも、一度やってみると(やらされてみると)、「あ、こういうことか」と実感でき、自分一人でも再現しやすい #心理学 #MBA pic.twitter.com/qoF4jpSgOo
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) December 5, 2024
これも「ホントかよ」と思いましたが、効果は検証されているんでしょうね。
哲学者が説く学習論には疑り深くあるべき
一方で、学習の理論に関しては、やや眉唾もあると感じています。たとえばこれね。
【MBAの心理学】哲学者のヒューバート・ドレイファスの技能獲得の5段階。1.ビギナー(規則をおぼえる)、2.中級者(状況依存の規則もおぼえる)、3.上級者(状況に応じて判断)、4.プロ(直観的に判断する)、5.エキスパート (「自動性」に基づいて動く) #心理学 #MBA pic.twitter.com/LJduTUmIfJ
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) December 7, 2024
そもそもとして、私は哲学者に対して不信感を持っているので、こういう提言を聞いても、それこそ「ホントかよ」。エビデンスに基づいていない机上の空論に聞こえてしまいます。これは哲学者のせいではないけど、ラーニング・ピラミッド、いわゆる「講義を聴くだけでは学習の定着率は5%、本を読むと10%…」というのも根拠がないと言われていますしね。
【MBAの心理学】南山大学の土屋耕治氏によると、ラーニング・ピラミッドは都市伝説である。National Training Labolatory (アメリカ国立訓練研究所)によって提唱されたものとは異なる形で伝承され、また数字の根拠も薄い。 #心理学 #MBA pic.twitter.com/7vnKMIMXlW
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) August 26, 2024
学習における人間の可能性はまだまだ開発の余地が大きいモノの、そのためにはしっかりとした実証研究が求められると感じます。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
ブログには書けない「ぶっちゃけの話」はメールマガジンで配信中。
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