人間の欲求はさまざまあって、それを分類した学説もさまざまあります。個人的にはEPPSが一番しっくりくるので、もっと多くの人に知っていただきたいですね
部下の動機づけには使えないマズローの欲求段階説
人間の欲求の分類で一番有名なものと言えばマズロー先生の欲求段階説でしょう。ただ、実際の職場で部下のモチベーションアップには使えないと私は思っています。そもそも段階の考え方は心理学的には否定されているわけだし。
では、それに代わる欲求の理論は何かと言うときにであったのが宗形先生の説。
【MBAの心理学】筑波大学名誉教授の宗形恒次博士は人間の欲求を「ソウルの欲求」として体系化。1.他者に受け入れられたい(慈愛願望欲求)、2. 自分に自信を持ちたい (自己信頼欲求)、3. 他者に貢献したい(慈愛欲求)。順序もこの順番で満たされる必要がある。 #心理学 #MBA pic.twitter.com/o1vaejqeVd
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) November 6, 2024
これはこれでわかります。しかも、組織開発なんかのときには、けっこう重要だったりします。神田昌典先生が「成功者の告白」で述べていたことと同じですしね。
【MBAの心理学】宗形博士のソウルの欲求が正しいのであれば、父性的な他者貢献の前に母性的な受け入れが必要となる。神田昌典氏が「成功者の告白」で提唱したこととも平仄が合うか #心理学 #MBA pic.twitter.com/X6dEE0w7G6
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) November 6, 2024
一方で、職場で部下の動機づけに関しては、もう少し軽いというか、実務的なレベルでの欲求分類が欲しいところです。
世の中にさまざまある欲求の分類
一方、カウンセリングの世界に目を移すと、ウィリアム・グラッサー博士の選択理論心理学 (choice theory、チョイスセオリー)を取り入れている人も多いと感じています。
- 生存 (安全・安定、健康)
- 愛・所属 (愛、所属)
- 力 (貢献、承認、達成、競争)
- 自由 (解放、変化、自分らしさ)
- 楽しみ (ユーモア、好奇心、学習・成長、独創性)
の5つに分類するものですね。ただ、これまた職場での部下の動機づけには難しさがあって、仮に部下が「自分らしさ」を求めているとしても、それを受け入れるのが難しいときがあります。
個人的には人間の欲求を15に分類したアレン・エドワーズさんのEPPSが一番しっくりくると感じているので、ご興味がある方はぜひチェック下さい。内罰欲求とかは、部下を理解するのに必須です。Photo by Luc Galoppin
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
ブログには書けない「ぶっちゃけの話」はメールマガジンで配信中。
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