講師の仕事をしていると、人間の「認知」に興味が出てきます。
指導が頭の中に入っていかない部下の認知は?
講師として管理職研修とか担当するじゃないですか。そうすると受講者の方から質問をいただくんです。「どれだけ指導しても変わらない部下はどうしたらいいんでしょうか?」って。あれこれ話を聞いていくと、その部下の人の頭の中には、上司の指導が入っていっていないんだろうな、と感じます。
つまり、その部下の人の認知、つまり外部の情報を頭の中に取り込む方法と上司の伝え方が会っていない可能性があります。では、その部下の認知はどうなっているんだろう…?と芋づる式に興味が広がります。
物質的に2倍でも認知では1.3倍にしかならない
心理学でもこの認知に関しては研究が進んでいるらしく、さまざまな知見が蓄積されています。
【MBAの心理学】暗闇にローソクがともると明るく感じるが、ローソクを2本に増やしても明るさが増したとはそれほど感じられない。物理的な明るさが2倍でも、人間は1.3倍増しと捉える。ここからG.T.フェヒナーは、精神物理学(psychophysics)を打ち立てた pic.twitter.com/RHKB9caj6S
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) November 18, 2024
これとかも、「たしかにそうだよな」と実感できるし、「では、これを部下指導に活かせるとしたら」との発想に繋がります。はたまた、ここで述べられている「精神物理学」を知りたくなったりね。
メタ認知の楽観性に陥っている部下
【MBAの心理学】メタ認知の楽観性。高齢者の多くは、たとえ身体機能に衰えが来ていても「自分は高齢者だ」と思っていない。実際、「高齢者と呼ばれてもいい」と思っている人は2割しかいない。客観的な自己認識は楽観される傾向にある。 #心理学 #MBA pic.twitter.com/DqvCcNQ6kq
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) November 21, 2024
こちらも面白いですね。敷衍すれば、上司から見た今イチな部下は、自分自身ではその今イチであることを理解していない可能性があります。だとすれば、それを認識せしめることが第一歩かも。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
ブログには書けない「ぶっちゃけの話」はメールマガジンで配信中。