メルマガ MBAの三冠王 Vol.384 GWに読んで欲しい、私がハマっているマンガ
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お買い求めいただいた方、ありがとうございます。
99円セールは終わってしまいましたが、「読み放題」のKindle Unlimited (アンリミテッド)には出していますので、そちらでもチェックください。
さて、本題。
GWは勉強、と先週のメルマガで紹介しました。
でも、もちろんそれだけではありません。
のんびり楽しく過ごすために、私はマンガ三昧の予定も入れています。
最近はまっている作品が…
メルマガ MBAの三冠王 Vol.383 GWに遊びほうける人?学び続ける人?
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では、本題。
GWの予定はもう決まりましたか?
私はというと、例によって“お勉強”。
テーマは、AI(人工知能)。
「え、今さら?」と思います?
いやいや、AIはとにかく進化のスピードが凄まじい。
私なんて、すでに“周回遅れ”を実感しています…。
たとえば、こんな記事をご覧になったことありますか?
【AIエージェントにホテルを予約させる実験から判明した衝撃の事実】
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/87753
AIがWebサイトを読み取って、人間の代わりに予約を済ませてくれる。
まさに「未来はもう始まっている」感、あります。
私は思うんです。
技術革新への対応には、次の2択しかない。
- 何とか食らいついて、道具として使いこなすか
- 諦めて、置いていかれる側になるか
そして、私が今もっとも注目しているのが…
書評 「離職防止の教科書」
「あの部下、ひょっとしたら止めてしまうのでは?」そんな危機感を持つ事ってありますよね。あるいは逆に、兆候が全くなかったのに突然退職を告げられて、「なんで気づかなかったんだろう」と悔やんだり。
そんなときに対策の指針になるのが藤田耕司先生のご著書、「いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 離職防止の教科書: 人手不足対策の決定版」です。
離職防止には「当たり前のことを当たり前に」
読後の感想を一言でまとめるなら──
「離職を防ぐには、当たり前のことを当たり前にやる」
これに尽きます。
でも、その「当たり前」が、意外とできていない。
たとえば、部下を叱るときにこんな配慮、していますか?
-
プライドを傷つけない
-
叱る“目的”を忘れない
-
叱りながらも、自分を俯瞰して見る(=メタ認知)
これ、言われてみればその通り。でも、怒っている最中に「メタ認知」できる人、どれだけいるでしょう?
個別対応こそが離職防止のカギ
本書のもう一つの学びは、「個別対応の重要性」です。
「最近の若者は…」なんて一括りにしてはいけない、と。
その指針となるのが、以下のフレームワークです。
意欲・能力の高さ | |||
上位 | 中位 | 下位 | |
---|---|---|---|
新人若手 20代 |
ホープ | ルーキー | 問題児 |
中間世代 3-40代 |
エリート | 現場牽引者 | 未開花者 |
年長世代 50代以上 |
経営幹部 | 中間管理職 | 窓際社員 |
年代とスキルレベルのマトリクスで「辞める理由」が異なるため、それに合わせた対処が必要だと教えてくれます。
離職防止に効く「傾聴」のテクニック、知ってますか?
本書のノウハウにさらにプラスアルファするとしたら、具体的な行動です。たとえば、上司が部下の話を徹底的に聞くという「当たり前」の行動が、具体的にはどのようなものなのかの解説があると、読者が現場で活かすときにより参考になるでしょう。
-
部下と正対せず、90度で座る
-
語尾を繰り返して相づちする(例:「大変だったんですね」)
-
相手のうなずきとリズムを合わせる
こうした“聞く技術”を意識するだけで、部下の本音を引き出す確率は格段に上がります。
まとめ
結局、部下が辞めるのを防ぐために必要なのは、
特別なスキルやツールではなく、日々の当たり前の積み重ねなんですよね。
でもその“当たり前”が、忙しさや慣れで見えなくなってしまう。
本書は、それをグッと引き戻してくれる一冊でした。
「今は大丈夫」と思っている人ほど、早めのチェックをおすすめします。
画像はAmazonさんからお借りしました
子供の教育の難しさ~先週のMBAの心理学
子供の教育って難しいですよね。先日も尊敬するコンサルタントの方と、「中学受験はありかなしか」という議論をしましたが、結論は出ませんでした。「難しいですよねぇ…」で終わってしまって。
その難しさの根源は、測定することができないことにあります。別に有名中学校に進学することがゴールではないわけで、「どういう状態に達したら成功なのか」が定義しにくいものです。
結果として、子供の教育の成否には哲学的な考察が関わってきます。たとえばこれ。
【MBAの心理学】オーストリアの哲学者イヴァン・イリイチは、1970年に出版した「脱学校の社会」で学校教育を批判。「学びは本来、自分の好きなように行える自由な活動であるはずなのに、学校はそれを『教わる』という受け身の活動に変えてしまいます」、と #心理学 #MBA pic.twitter.com/wbucSBTvbI
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) April 9, 2025
まぁ、言いたいことは分からないではないですが、「だったらどうするの?」という次のアクションが見えませんね。
この難しさを加速させるのが「臨界期」という概念。
【MBAの心理学】アメリカの言語学者エリック・レネバーグ博士は1967年に出版した「言語の生物学的基礎」で学習の臨界期仮説を提唱。その後、ニューポート、ジョンソン博士の移民の子供の英語学習の調査により、この仮説はきょうかされた #心理学 #MBA pic.twitter.com/qZnJu075m2
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) April 9, 2025
もしも、何かを学ぶには適した年齢がある事-つまりは、その時期を逃すと学習が大きく損なわれる-が真実ならば、何をどの時期に学ばせるかは余計に難しいことになります。
ましてや、オリンピック競技においては、このような特性があるとすれば、難しさはなおさらですね。
【MBAの心理学】ゲント大学のローエル・バイエンスらはアテネオリンピック出場者を調査し、その競技を始めた年齢を調査。実は競技によって結果は異なり、水泳は幼少期に始めた選手が多い。一方、ボート競技は10代後半から初めてもオリンピアンになれる #心理学 #MBA pic.twitter.com/OB3R0hUJN3
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) March 31, 2025
メルマガ MBAの三冠王 Vol.382 トランプ交渉術のタネ明かしと日本の対抗策
「トランプ、大丈夫か?」
先日の相互関税で思いましたよね。
日本に対して24%など、関税をかけると突然発表。
世界経済は大混乱かとおもいきや……
その舌の根も乾かぬうちに、90日の猶予期間が発動。
やっていることちぐはぐじゃない?
と正直思ってしまいました。最初は。
でも、よく考えてみると、交渉の高等テクニックであると気づいたんです。
具体的には…
ゆるかわキャラが稼ぐ世界 ——「ごきげんパンダ」から考える、キャラクターのビジネス力
「ごきげんパンダ」、ご存じですか?
ふわっとした表情と、どこか力の抜けた言動がクセになる“ゆるかわ”パンダ。
私はすっかりファンで、ついに作者・にしむらゆうじ先生の個展(@銀座松屋)まで行ってしまいました。
展示されていたイラストはどれも温かく、見ているだけで口角が上がってしまう。
……のですが、いちばん印象に残ったのは、作品ではなく“創作風景の動画”でした。
Apple Pencilなんですかね?デジタルペン片手にスルスルと命を吹き込まれていくキャラクターたち。
「この瞬間を観るために来た」と思うほどの感動でした。
本気でiPadを買って、イラスト描こうかな、と思ったくらいです。
「なぜ撮影禁止?」の裏にあった、大人の事情
展示を見ていて気になったことが一つありました。
同じようなテイストの作品が並んでいるのに、一部のコーナーだけ「撮影禁止」の札が。
なぜ?
その理由は、「企業案件」でしょう。
にしむらゆうじ先生のキャラクターは、様々な企業とコラボしています。
たとえば、チョコレートのパッケージに描かれていたり、LINEスタンプになっていたり。
そういった“コラボ作品”は権利関係が絡むため、展示であっても撮影はNGと想像します。
アートであり、商品でもある。
可愛さの裏側に、権利とビジネスの仕組みがしっかりと存在しているのだと、実感しました。
キャラで稼ぐビジネスモデル
少しいやらしい話になりますが……
こうして企業とのコラボを重ねていくキャラクターたちは、ものすごく強力な“ビジネス資産”になりえます。
たとえばサンリオやディズニー。
どちらも、キャラクターの「著作権(コピーライト)」を中核にした堅牢なビジネスモデルを築いてきました。
グッズ、映像、イベント、ライセンス契約——キャラクター1体が無限の収益源になりうるわけです。
私のような「フロー型のビジネス」を展開している人間からすると、憧れを感じます。
iPadでキャラ描いて、ビジネスにできるのか?
そんなことを考えていたら、創作熱がふつふつと湧いてきました。
「自分もiPadでキャラを描きはじめるべきでは……?」と。
ただし現実は、そう簡単ではありません。
可愛いキャラを生み出せるスキルだけでなく、
“ビジネスとして成立させるセンス”と、“受け入れられる空気感”の両立が求められます。
あまりに商売っ気が見えるとファンに敬遠されるどころか、炎上してしまいます。
逆に“ゆるさ”だけでは展開の幅が狭くなる。
そのバランスが、難しい。
そして、そこにこそプロの技があるのでしょう。
「創作×権利×ビジネス」という視点で世界を見ると
今回の個展で感じたのは、キャラクターは単なる“かわいい存在”ではなく、
しっかり設計された「ビジネスの核」になりうる、ということでした。
感性だけでなく、戦略も。
遊び心の中に、設計図がある。
そう思ってもう一度キャラグッズを見ると、世界がちょっと違って見えるかもしれません。
心理学者として「ねつ造の科学」を極めたい~先週のMBAの心理学
来世って信じますか?
私はまったく信じていません。むしろ、そういう“スピリチュアル”とか“前世がどうこう”っていう話には、距離を置きたいタイプです。
…なんですが。
もし仮に、万が一、来世というものがあるなら——
私は心理学者になって、「ねつ造の科学」を研究してみたい。
というのも、昔から妙に気になるんです。科学における“ねつ造”。
たとえば、有名な「STAP細胞」の件。あるいは心理学の分野でも、以前こんな話がありました。
【MBAの心理学】米ロチェスター大学のポズダらは、赤い服を着るとセクシーさが増して持てるようになると主張。ということは、カズレーザーさんは…と思いきや、後日アムステルダムのブリエ大学の追試によってこの結論は否定された #心理学 #MBA pic.twitter.com/1f9qyef7Gg
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) April 4, 2025
つまり、ウソだった可能性が高い。
こういう事例を見るたび、モヤモヤと疑問が湧いてきます。
-
ねつ造をしてしまう研究者には、どんな心理的特性があるんだろう?
-
どんな状況や環境が、人を「ウソをつこう」と思わせるのか?
-
そして、ねつ造することで得るもの・失うものを冷静に天秤にかけたら、結局それって「割に合う」の?
もし、こうしたことが心理学の視点から明らかにできれば、科学の健全性を守るヒントにもなるし、研究不正を減らす仕組みづくりにもつながるかもしれない。
だから私は、来世で心理学者になって、こういうテーマに取り組んでみたいんです。
(いや、今世でもやれば?という声が聞こえてきそうですが…それはさておき。)
科学って、真実を追い求める営み。
でもその裏で、人間の弱さや欲望が顔を出すこともある。
そういう「人間くさい科学の裏側」こそ、もっと知る価値があると思うのです。
メルマガ MBAの三冠王 Vol.381 ChatGPTに未来予測させる「物語プロンプト」とは
まずは業務連絡から。
新入社員の「オンボーディング」に役立つ資料を作成しました。
意外と誤解が多い分野なので、ぜひ下記をチェックください。
【オンボーディングはOJTと何が違う?~「辞めさせない」マネジメントとは?】
メルマガ読者限定で公開中
では本題。
ChatGPTに未来を予測させる、意外な方法が発見されました。
それが、「物語プロンプト」。
普通に「未来を予測して」と頼むと、
事態は流動的でいくつかのシナリオが考えられます
と無難な回答が返ってきます。
しかし、「物語の続きを書かせる」形にすると、まるで専門家が語るような、具体的で説得力のある予測が得られるのです。
冒頭のオンボーディングにも使える手法なので、ぜひ最後までお読みください。
Skype終了のニュースで考えた
Skype(スカイプ)がサービス停止だそうです。テレビ電話サービスとしては老舗ですが、最近はすっかりZoomにその座を奪われた感があり、やむを得ない判断なのかもしれません。
というか、Skypeの提供元であるマイクロソフト自体が最近はTeams推し。個人的にはTeamsは使いにくいので、むしろSkypeを既存のOffice製品に統合した方がいいような気もしますけどね。
Skypeヘビーユーザーの方は、過去のチャット履歴などバックアップをとっておいた方が良さそうです。
OBSのノイズ抑制フィルタを知らなかった私がハマった落とし穴~情報過多時代を生き抜くシン検索法
「動画を撮ろう!」と思い立ったとき、意外に困るのが環境設定。撮影機材やカメラの配置も大事ですが、実は一番の敵は“ノイズ”だったりします。
私自身、この問題にはずいぶん悩まされてきました。前のオフィスでは、いい感じで収録が進んでいても…
ピーポーピーポー!
救急車のサイレンが入って撮り直し。
せっかく集中していたのに、また一からやり直し…。こんなことが何度もあったので、「静かな環境こそ正義!」と、思い切って地下のオフィスに引っ越したのです。
ところが最近、あることに気づきました。
「あれ、これって別に引っ越ししなくても解決できたのでは?」
ノイズ問題、OBSの設定で解決できる
きっかけは、録画ソフト「OBS」の設定を見直したこと。OBSは無料で使える高機能な録画ツールですが、その中に「ノイズ制御」という機能があるのを発見しました。
試しに設定を調整してみたところ…
めちゃくちゃ良い!
これまで気になっていたホワイトノイズ(サーッと流れる環境音)もスッキリ消えて、驚くほどクリアな音質に。今まで「静かな場所で撮影しなきゃ」と思い込んでいたのですが、ソフトの設定だけでここまで変わるとは。
もしこの機能を最初から知っていたら、オフィスの引っ越しなんて必要なかったかも…。
「検索できる範囲」を広げるという発想
OBSにはまだまだ知らない機能が山ほどあることに気づき、情報収集を始めました。そのとき役立ったのが、CastcraftさんのHP。OBS関連の解説だけで150ページ以上もあり、知りたいことがほぼ網羅されているという圧倒的な情報量です。
それにしても、なぜこれまでこの情報にたどり着けなかったのか?
答えはシンプル。
「自分が検索できる範囲」が狭かったから。
今の時代、ネット上に情報はいくらでもあります。でも、検索するには「何を調べればいいのか」を知っている必要があります。つまり、自分が知らない概念や専門用語は、そもそも検索すらできないのです。
だからこそ、
「検索スキル」=知識の広がりそのもの。
検索力を鍛えることで、見えていなかった情報にアクセスできるようになる。これは、まさに「探索」のアプローチそのものですね。
「知らないことを知る」ために、まずは「知らないものの存在に気づく」。
これができると、仕事でも学びでも圧倒的に差がつくのかもしれません。
LINE公式アカウントはプロモーションに使えるのか?Kindle出版を機に考えてみた
「LINEが商売にも使える」という話、聞いたことあるでしょうか?
いわゆるLINE公式アカウントというものですね。私もいくつか登録していますが、ほぼスルー。
どうしても「LINEは親しい人とのコミュニケーション用」というイメージがあって、頭の中でクーポンと結びつきません。
ところが。
そんな私が自分のLINE公式アカウントを作ろうと四苦八苦しています。
Kindle出版と相性がよいLINE公式アカウント
キッカケになったのは、Kindle出版。例の、Udemy会計入門セミナーを文字おこしして出版しようというプロジェクトです。ちなみに、この文字おこし、結局のところはうまくいかずポチポチと自分で執筆するという羽目になりました…… (この話題もいずれどこかで)
それはさておき、本題のLINE。
どうやら、Kindle出版とLINE公式アカウントは相性がよいらしいのです。
Kindle Unlimitedなんかを使っている方は、Kindle本の最後の方に読者特典としてLINE公式アカウントの紹介があるのを見たことがある方も多いでしょう。実際、多くの著者がLINE公式アカウントを活用して、読者との交流や情報発信を行っています。
機能が豊富すぎて使いこなせないLINE公式アカウント
じっさいに触ってみると、LINE公式アカウントは機能豊富でビックリしました。確かにこれなら、使い方によっては読者との交流やプロモーションに役立つと思えます。
ただ、機能が豊富な分だけ「あれも、これも」と手を出すと、わけが分からなくなりそう。まずはシンプルな使い方をして、慣れてきたら色んな機能を試したいと思います。
使いこなせば、強力なプロモーションのツールになると確信しました。
子供の教育を哲学する~先週のMBAの心理学
先週の「MBAの心理学」は、教育哲学シリーズです。元ネタは孫泰蔵さんの冒険の書 AI時代のアンラーニングから。
特に今回テーマになっているのは子供の教育。
実はこの分野、昔から色々な工夫がされています。たとえば、これ。
【MBAの心理学】イギリスのジョセフ・ランカスターは1799年頃ロンドンで小学校を開設。先輩(モニター)が後輩を教えるというカスケード型の教育システム、能力別クラスを「発明」した。1862年にはサミュエル・ウィルダースピンの考案したギャラリー方式と合体し、効率的な教育を提供した pic.twitter.com/ObXUdddwsw
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) March 27, 2025
1799年と言えばフランスでは革命の後で、個人の権利が確立されているころでしょう。これがイギリスにも伝播して、幼年期からの教育に力を入れ始めたのでしょうか。
ちなみに日本では、松平定信による寛政の改革が終わったころ。当時の日本の識字率は世界的にも高かったという説があり、日本でも教育には力を入れていたようです。こういう蓄積があったからこそ、その後の明治維新や国力の発展に繋がったのでしょう。
「プロティアン・キャリア」って結局なんだ?——ミドルエイジ・クライシスを超えるヒント
昨日はプロティアン・キャリア協会さんのイベント「人的資本経営2025マニフェスト」に参加してきました。もともと協会内部の方向けの内容だったようで、場違いだったかな?と少し恐縮しつつも、結果として学びの多い時間になりました。
特に印象的だったのが、「プロティアン・キャリア」という概念についての発見です。
プロティアン・キャリアとは変幻自在?
「自分の軸を持ちつつ変幻自在に生きる処方箋」
これがプロティアン・キャリアの基本的な考え方だそうです。「アイデンティティ × 変化対応力」とも表現されていましたが、正直なところ、最初はピンときませんでした。「変幻自在」と言われても、それが具体的にどういう状態なのか、いまいちイメージが湧きません。
さらに、イベント中のスピーカーの方々が「苦しんでいる人を救いたい」というような表現をされていたのも気になりました。キャリア論の話で、なぜ“救う”という表現が出てくるのか?
しかし、この疑問は懇親会での会話を通じて氷解しました。
プロティアン・キャリアは「ミドルエイジ・クライシス」の処方箋
懇親会でお話した方がこんなことを言っていました。
プロティアン・キャリアは、ミドルエイジ・クライシスを乗り越えるキッカケになる
なるほど、と納得しました。
大手企業に入り、キャリアを積み、仕事で成果を上げる。そんな順調なキャリアの先に、ある日ふと「これからどうしたらいいんだろう?」という疑問が湧くことがあるそうです。いわゆる“喪失感”や“迷い”に直面する瞬間ですね。
その迷いを乗り越え、自分が本当にやりたいことを見つけ、新しいキャリアの可能性を広げる——それがプロティアン・キャリアの本質なのだと理解しました。
私自身はどうなのか?
実を言うと、私はこの手のミドルエイジ・クライシスを感じたことがほぼありません。「どの会社で働くべきか」「独立すべきか、会社員のままか」など、キャリアについての悩みはもちろんありました。でも、毎日が必死すぎて「これからどうしたらいいんだろう?」と立ち止まる暇もなかったのが正直なところです。
だからこそ、最初にプロティアン・キャリアの話を聞いたときにピンとこなかったのでしょう。
交流会での学びと次回への期待
懇親会では、他にもたくさんの発見がありました。HRプロさんの交流会でも感じましたが、やはり同じ業界の人たちとの対話は得るものが多いですね。今後もこうした場には積極的に参加したいと改めて思いました。
ただ一点、交流会のくじ引きに思った以上に時間が割かれていたのが惜しいと感じました。せっかく色々な方と話せる貴重な機会だったので、もう少しネットワーキングの時間を長く取れると嬉しいですね。もしお邪魔でなければ、次回のイベントも参加したいと思います。
人手不足解消の切り札になるか?官主導のハイスペシニア人材マッチング
人手不足の解決策は「専門職シニア」にあり?
いまや、あらゆる業界で深刻な人手不足。企業は採用活動を強化し、既存社員の定着を図るために様々な施策を打ち出しています。しかし、その一方で「人が足りない」という課題の本質的な解決には、まだまだ試行錯誤が続いているのが現状です。
ところが、意外なところに突破口があるかもしれません。それが「専門職シニア」の活用です。
シニア人材が中小企業の救世主に?
2025年3月26日付の日経新聞によると、関東経済産業局などが主導し、専門知識や経験を持つシニアと、その知見を求める中小企業をマッチングする取り組みを実施しているとのこと。実際に登録されている人材を見てみると、その豊富なキャリアに驚かされます。
- 銀行の営業経験者:資金調達や財務戦略に強みを持つ
- 電機メーカーの工場長経験者:生産管理や現場改善のプロ
- 外資系メーカーの海外部門出身者:グローバル展開に精通
中小企業にとって、これほど心強い人材はないでしょう。
シニアにとっても「第二のキャリア」
もちろん、メリットがあるのは企業側だけではありません。シニア人材にとっても、これまで培ったスキルを活かしながら社会貢献ができるのは大きな魅力。単なる「働き続ける場」ではなく、やりがいを感じられる場になっているのです。
この取り組みは2011年からスタートし、すでに5,000社以上が参加。登録シニアの数も693人に達し、もはや定着した制度といえるでしょう。
民間の顧問派遣サービスとどう違う?
近年、民間企業でも「顧問派遣サービス」を展開する企業が増えています。これらのサービスと比べた場合、官主導のマッチング制度の強みはコストの低さにあります。中小企業にとって、優秀な人材を手頃な価格で確保できるのは大きな利点です。
人手不足が叫ばれる今、このような「知見を持つシニア層の活用」は、今後さらに広がっていくのではないでしょうか?
メルマガMBAの三冠王 Vol.380 「面倒くさい」からこそやろう~災害時に役立つ必須アイテム
突然ですが、富士山が噴火したときの準備ってしていますか?
「いやいや、いきなりどうした?」と思うかもしれませんが、最近ちょっと気になることが続いているんです。
- 気象庁が「火山灰警報」の導入を提言
- NHKで避難所の特集が放送される
- 品川区から簡易トイレキットが配布される
これらをつなぎ合わせると、ふとこんな考えがよぎります。
もしかして政府は、富士山噴火の予兆をつかんでいるのでは…?
なので私は、非常用持ち出し袋を整理しました。
もっとも力を入れるべきが…
人事部向けプレゼン勉強会のご報告
本日は人事部門で働く方向けのプレゼン勉強会でした。ご来場いただいた方、ありがとうございます。
高知からご参加の懐かしい顔もあって、こういうのがリモート講義のいいところですね。
内容は、1時間という制約の中で大事なことをお伝えすべく、工夫しました。後半に何とか時間をとって、「プレゼンテーション・チェックリスト」をちゃんと解説できたのはよかったかな。
プレゼンテーションは、内容が多岐にわたるだけに本格的に学ぶとそれなりに時間がかかります。
今回はエッセンスだけでしたが、4月から人事の方がプレゼンする際に活用いただけると幸いです。
富士山の噴火に備える
気象庁が「火山灰警報」を導入することを提言したそうです。いわく、
車が走行できなくなる目安の3センチ以上の深さの火山灰が降ると予想された際に「火山灰警報」を発表し、30センチ以上では雨が降ると木造家屋が倒壊するおそれがあるため、警報より一段強く厳重な警戒を呼びかけるべき
それはそれで大事ですが、このタイミングでなぜ?と言うのが気になります。富士山の噴火に関する情報を政府は手に入れているんでしょうかね?
- 食料・水を多めに備蓄する
- 除灰作業に使うスコップを用意しておく
- マスクとゴーグルを非常用持ち出し袋に
のような準備をして奥にこしたことはないですね。
お賽銭をPayPay払いはアリ?ナシ?そこから見えた「祈りの本質」とは
お賽銭がキャッシュレス
最近、神社でお賽銭がPayPay払いできるって知ってました?
確かに、現金を持ち歩かなくてもお参りできるのは便利だし、お賽銭泥棒のリスクも減る。これはこれで合理的な進化なのかもしれません。
…でも、私はPayPay払いはしませんけどね。
お賽銭は「払う」行為ではなく「捧げる」行為
キャッシュレス決済はスマートでスピーディーですが、お賽銭ってただのお金のやり取りではないと思うんです。
「命の次に大切なお金を、対価を求めることなく捧げる」
この行為自体が、ある種の覚悟や誓いにつながる。だからこそ、「喜捨(きしゃ)」という言葉があるのでしょう。
「財の転移」という観点では実物貨幣でもPayPayでも同じワケですが、PayPayでピッと済ませると、喜捨の感覚が薄れてしまうと懸念します。
私が毎晩、お賽銭を捧げる理由
私が日々お参りしている「蛸薬師」には、ちゃんとお賽銭箱があります。
夜、1日の終わりに「手を合わせ、誓いのマントラを唱える」という行為が、自分の気持ちを整えるきっかけになっています。
便利さを追求するのも大事。でも、こういうアナログな行為こそが、人の心を支えているのだと思います。
ホンモノのアンラーニングが実現できるかも?~先週のMBAの心理学
「アンラーニング」って、本当にできるの?
「アンラーニング」という言葉、人材育成の世界で最近よく使われます。
「これまでのやり方を忘れ、新しいスキルを身につけよう!」
…と聞くと、なるほどと思うかもしれません。
でも、これって単に 「新しい行動パターンを獲得する」 だけの話では?
結局、「学び直し(リラーニング)」 じゃないのか?
この手の、新しくてかっこいい言葉を使うけど表層的に過ぎないのは、私は嫌い。
そう思っていたのですが…
実は、 本当に「学習を消す」ことができるかもしれない のです。
脳科学で「記憶を消す」ことができる?
最近の研究によると、光遺伝学的手法 を使えば、あるタスクの記憶に使われたシナプスを操作できる可能性があるそうです。
つまり…
「特定の記憶を消して、非習熟の状態に戻す」
ことができるかもしれない。
【MBAの心理学】アンラーニングも脳科学で実現できる?光による刺激で脳細胞の活動を捜査する手法(光遺伝学的手法)で、あるタスクの記憶に使われたシナプスを消すことができるかも。結果、そのタスクを忘れて被成熟の状態に戻すことができる。逆のEWCによる記憶の定着化も可能か pic.twitter.com/8nDCKmYgVf
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) March 20, 2025
これは、まさに アンラーニング そのものです。ちなみに↑はタイプミスがあるので、修正いたします。「捜査」→「操作」、「被成熟」→「非習熟」。こういうのは恥ずかしい。
薬物依存や悪習慣を「忘れる」未来?
もし 「特定の記憶を消す」 ことができるなら、
- 薬物依存から抜け出す
- 悪習慣を断ち切る
- 不要な思い込みをリセットする
といったことも可能になるかもしれません。
たとえば、喫煙習慣を「シナプスの結合を弱めることで消す」ことができれば、禁煙はぐっと楽になるはず。
これが実現すれば、「意志の力に頼らない行動変容」 が可能になるかもしれません。
「頭をよくするデバイス」も登場?
ちなみに、こうした脳を操作するデバイスの開発は、欧米の方が進んでいます。
【MBAの心理学】「頭をよくするデバイス」が可能に?Mind Alive社のDAVID PAL 36は、5.5Hzの視聴覚刺激によってシータ波を増やし、エピソード記憶が向上する。Philips社のSmartSleepは深い睡眠の除波睡眠を関知し、音刺激で睡眠の質をよくする pic.twitter.com/nP2lGTZwZf
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) March 13, 2025
つまり、「記憶を強化する」 ことも、「不要な記憶を消す」 ことも技術的には可能になりつつある。
こういうデバイス、ちょっと試してみたいと思いませんか?
「学び続ける力」+「不要な記憶を消す力」
「アンラーニング」は単なる言葉遊びではなく、
もしかすると 本当に「学習を消す技術」 が確立される時代が来るかもしれません。
そうなったとき、「学び続ける力」 に加えて、「不要な記憶をリセットする力」 が求められる時代になるのでは?
あなたは、この未来をどう思いますか?
ボーカロイドが変えた音楽の世界──プロシューマー革命と新時代のスターたち
ボーカロイド、と聞いてピンときますか?「初音ミク」に代表される、コンピューターが歌を歌う音楽技術です。
これが、今や世界的なブームになっているという事実に驚かされました。そんな衝撃を受けたのが、先日のNHKスペシャル「日本発”ボーカロイド文化”」。
でも、なぜこれほどまでに人気なのでしょうか?
ボーカロイドがもたらした「プロシューマー化」
この現象を自分なりに解釈すると、ボーカロイドは音楽の世界に「プロシューマー化」をもたらしたと言えます。
「プロシューマー(Prosumer)」とは、「プロフェッショナル(Professional)」+「コンシューマー(Consumer)」の造語。つまり、一般の消費者がプロのように創作し、発信する時代が来たということです。
YouTubeが映像分野でこの流れを加速させたのと同じように、音楽の世界ではボーカロイドがその役割を果たしました。
これまで楽曲制作には高いハードルがありましたが、ボーカロイドの登場によって「自分で作って、すぐに発表できる」時代が到来。その結果、個人のクリエイターが世界中に音楽を届けられる環境が整ったのです。
プロシューマーがプロフェッショナルへ──新時代のスター誕生
さらに興味深いのは、プロシューマーとして音楽を作り始めた人たちが、いまやプロとして活躍していることです。
NHKスペシャルでは、次のようなアーティストが紹介されていました。
✅ Ado
✅ YOASOBI
✅ きくお
彼らはボーカロイドを駆使し、ネットで楽曲を発表するところからキャリアをスタート。そして、いまや世界中にファンを持つトップアーティストになっています。
これこそ、プロシューマー文化がもたらした新たなスター誕生の流れです。
ボカロ文化は「心の拠り所」なのか?
一方で、NHKスペシャルの取り上げ方には少し違和感もありました。
番組では、「生きづらさを感じる若者がボーカロイド楽曲に救われた」という視点が強調されていました。でも、それって本当にボカロ人気の本質でしょうか?
確かに、歌詞に共感する人は多いでしょう。でも、海外も含めた熱狂ぶりを見ると、単純に「音楽としてカッコいいから聴いている」という層のほうが圧倒的に多いように思えます。
論より証拠。聴いてみたら納得した
こういうときは、頭で考えるよりも実際に体験するのが私の流儀。
さっそくSpotifyで前述のアーティストを聴いてみましたが… Adoさん、めちゃくちゃカッコいいですね。
特に「唱」とか、予備知識なしに聴いても「これはハマるわ」と思いました。
ボーカロイド文化は、単なる一過性のブームではなく、新しい音楽のあり方を示しているのかもしれません。
「プロが作った音楽を消費する」時代から、「誰もが音楽を作り、発信する」時代へ。ボーカロイドが生み出したこの流れは、これからさらに加速していくのでしょう。
タピオカティーから見えるZ世代の消費特性
ついに… 人生初のタピオカティー を飲みました。
正直、流行っていたときに一度くらい試すべきだったんでしょうが、気づけばブームもひと段落。ようやく「どんなものなのか?」を体験する機会がやってきました。
おいしい…けど、値段に驚いた!
注文したのは「黒糖ブラックミルク」。甘さ控えめ にしたのに、それでも 想像以上に甘い…!
でも、それよりも驚いたのは お値段。
☕ 670円
これ、新橋ならランチ1食分です。
「え、これを若者が気軽に飲んでるの?」と思った瞬間、ある仮説が浮かびました。
タピオカ人気=若者の消費スタイルの変化?
「こんな高いドリンクが流行るなんて、不景気じゃないのでは?」と思いがちですが、実は 「お金の使い道」が変わっている のかもしれません。
昔は、若者がこぞってCDや雑誌にお金をかけていました。でも、今は スマホがあれば音楽も情報も手に入る。
その結果、「モノ」より「体験」にお金をかける ようになったのでは?
「プチ贅沢」=今どきの若者の価値観
タピオカはその象徴かもしれません。
✔ 「高級な食事ではなく、ちょっと特別なドリンク」
✔ 「形に残らないけど、友達とシェアできる楽しさ」
✔ 「SNS映えする、ちょっとしたイベント感」
昔の若者 vs 今の若者の消費スタイル は、タピオカ1杯からも読み取れるのかもしれません。
あなたは「670円のタピオカ」、どう思いますか?
メルマガMBAの三冠王 Vol.379 「もし5年前に戻れたら…」で後悔も反省もない決断を
まずはご報告から。
先週紹介したKindle出版の外注化、うまくいきました。
このクオリティは、自分でやったらできなかったですね。
https://corporate.ofsji.org/file/mba-kaikei/book_edition_small.png
では、本題。
4月の新年度が迫って、新たな体制になる方も多いのでは?
そんなときに見直したいのが自部署の戦略。
これにぴったりのフレームワークが「逆タイムマシン経営」です。
ちなみに、「逆」です。ただのタイムマシンではありません。
これが自身の戦略立案力UPに「効く」理由は…
HRプロさんの交流会で気づいた両利きの経営。探索と深化をバランスよく
「異業種交流会=ムダ」じゃない。成功のカギは運営にあった!
異業種交流会に行ったはいいものの、「ただ立ち話をしただけで、特に成果なし…」 なんて経験、ありませんか?
私も何度か経験があります。名刺交換はするけれど、それ以上の深い話にはならず、仕事につながる情報も得られない…。
「交流会なんて、やっぱりムダなのか?」
そう思っていたところ、昨日 HRプロさん主催の交流会 に参加して、「ムダにならない交流会」の仕掛けを体感しました。
「出会いの質」を高める3つの仕掛け
この交流会が他と違ったのは、以下の3つのポイントでした。
✅ 事前に参加者リストが配布される → どんな人が来るのか、狙いを定めて準備ができる!
✅ 最初に「点呼タイム」がある → 誰がどこにいるか把握でき、目当ての人と確実に話せる!
✅ 運営側が積極的にマッチング → 「この方と話したら良さそうですよ!」とつないでくれる!
これだけの仕掛けがあると、「せっかく来たのに誰とも有意義な話ができなかった…」ということは ほぼゼロ になります。
「異業種」よりも「同業種」交流会の効果
さらに今回は、人事系サービスを提供する企業が集まる「同業種交流会」だったことも成功要因のひとつ。
「異業種交流会」だと、話が広がりすぎて 「結局何の話をすればいいのか…?」 となりがちですが、同業種なら話題が共有しやすく、深い情報交換ができます。
実際、今回の交流会では 「なるほど!」 と思う情報がいくつも得られ、参加した価値を強く感じました。
とはいえ、時にはムダの中にこそ真実が
ただ、気をつけなければいけないのは、同業種交流会だと狭い世界でしか話ができないこと。実際昨日のHRプロさんの交流会でも、「知り合いの知り合い」みたいな話題がたくさん出ていました。
でも、これ「だけ」ではビジネスはうまくいきません。経営学では「両利きの経営」といいますが、ひとつの分野を深化(深掘り)するだけでは不十分。「探索」、すなわち新たな領域に知見を広げることが、成功のひとつの要因です。
昨日の交流会は「深化」の場でしたが、「探索」のためにも完全な異業種交流会にも参加していきたいと思います。
オンボーディングのコツ(Tips)50個がまとめられた文章が公開されているが…
これまでにない人手不足…。乗り越えるためにオンボーディングに力を入れている企業も多いでしょう。
その具体的なノウハウを知りたい…と言うときに参考になる「オンボーディングガイドブック」がネット上で公開されています。こういうのはありがたい…
のですが、個人的には若干見にくいと感じてしまいました。
その理由は、情報を集約するのにMiro (ミロ)という特殊なソフトが使われているから。もちろん、
利用用途やシーンに応じて検索がしやすくなったり、「コミュニティ」としてみなさんの意見を反映できるようになったり、とより広い使い方が可能です。
という執筆側の意図は分かるし賛同もしますが、慣れない身にはちとツライ状況です。
ただ、Miroがすぐれているな、と思ったのは、pdf形式でエクスポートもできるところ。私はこれをプリントアウトして読むという、ものすごいアナログなやり方をしてしまいました。
トレたまの商品を考察してみた:道設計さんの車椅子電動アシスト「押シスト!」
マーケターとしての勘を研ぎ澄ますための「トレンドたまご」チェック。今回は「後付け車椅子電動アシスト」です。
「押シスト!」は、後付け車椅子電動アシストパーツ
昔に比べて、車椅子を街中で見ることも多くなりましたよね?
駅などバリアフリー化が進んでいるおかげだと思うのですが、それでも推す人の負荷は高そう。階段がスロープになったとはいえ、勾配が急なところってあります。
しかも、これからは「老老介護」も増えていくでしょう。押す人の高齢化も進めば、たいへんさもなおさら。
そんなときに救いになるのが「押シスト!」です。ポイントは、「後付け」。従来の手押し車椅子に後付けで電動機能を付加できるパーツです。
「押シスト!」はアリかナシか
では、いつものフレームワークでこの商品の将来性を考えてみましょう。
先に結論を述べると、私はこの商品は「アリ」だと思います。
上述のとおり、明確な痛み(ニーズ)があるためです。もうね、この動画を見るだけで、「これ、欲しい!」と思います。価格が20万円弱を想定されているそうで、それがネックになりそうですが、たとえば介護施設を運営する事業者が購入して、あっちの車椅子、こっちの車椅子と使い回すこととかあり得るのではないでしょうか。
発売は今年中を目指されているようで、楽しみです。
Pain:痛みはあるか?(明確なニーズはあるか): 上述のとおりあります。
Competitor:その痛みがこれまで解決されなかった理由は?:電動式のシニアカーが競合と思われます。ただ、最初から電動式ではなく、「後付け」という点で明確に差別化を図れていると考えました
Now: 今回は痛みが解決できる根拠は?:モーター、バッテリーあたりの技術開発が進んで、発売可能になったと想像します。あと、安全対策も必要そうですね
Promotion: プロモーション上の工夫はあるか?:上述のとおり値段がやや高めなので、最初はB2C市場ではなくB2Bを狙っていくのがよいのではないでしょうか。規模の経済が効いてコストダウンできたらB2Cに乗り込むというシナリオです
「サイボーグ化」する人間の脳
性格とか好き嫌いは大人になったら変わらないと思うじゃないですか。
ところが、私たちが考えている以上に人間の脳は柔軟であることを示したのがこちらのデックネフ実験。
【MBAの心理学】デックネフ実験。被験者には何も教えずに、自身の脳の「好き嫌い」を司る帯状皮質の活動を現す円形をモニターに示す。被験者は他人の顔写真を見ながら、「念じる」ことによりその円を大きくするように求められる。すると、好きでも嫌いでもなかった人がどんどん好きになってくる pic.twitter.com/MN9Gym1L3A
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) March 14, 2025
このように自分の好みを変えることができるとしたら、キャリア選択など大きく変わりそうです。
一方で、外部のデバイスで頭をよくしようという試みは、若干気味悪さを感じます。
【MBAの心理学】「頭をよくするデバイス」が可能に?Mind Alive社のDAVID PAL 36は、5.5Hzの視聴覚刺激によってシータ波を増やし、エピソード記憶が向上する。Philips社のSmartSleepは深い睡眠の除波睡眠を関知し、音刺激で睡眠の質をよくする pic.twitter.com/nP2lGTZwZf
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) March 13, 2025
だんだん人間の脳も「サイボーグ化」していくのかもしれません。
ルンバが中国企業に膝を屈する日~ハイパーコンペティションというビジネスの現実
ロボット掃除機のパイオニア「ルンバ」が苦境に立たされています。
理由は明確。中国企業の台頭 です。
かつて革新的だったルンバですが、今や競争相手はさらに賢く、便利な製品を市場に投入。これが示すのは、現代のビジネス環境では 「安泰」なんてものは存在しない という厳しい現実です。
ルンバを買って感動、でも…
私がルンバを買ったのは2012年。最初は 「掃除が全自動でできるなんて最高!」 と感動しました。
当時喜んで撮った動画がこんなところに残ってました。
…が、その感動も長くは続かず。
✅ 電源ケーブルを巻き込んで身動きが取れなくなる
✅ 椅子の下に入り込んで、自力で出られない
✅ 掃除が終わっても、部屋の隅にゴミが残る
その結果、使用頻度はどんどん下がり、いまでは 週に1回動かせばいい方 という状態に。
この「ルンバへの小さな不満」を見逃さなかったのが、中国企業 ロボロック(北京石頭世紀科技) でした。
ロボロックがルンバを超えた理由
ロボロックが開発したロボット掃除機は、なんと アーム付き。
進行方向に 邪魔なものがあれば、それを片付けてから掃除をする というのです。
しかも、日経新聞によると 人工知能で物を認識し、おもちゃはおもちゃ箱、靴下は洗濯かごに片付ける という驚きの機能まで搭載。
…いやいや、本当にそんなことができるの?
と思って動画を見てみたら、できてしまっている。
こうして 「ちょっとした不満」を解消する形で、イノベーションが生まれ、市場が奪われる のです。
「ハイパー・コンペティション」— もはや、持続的な競争優位は存在しない
ロボット掃除機という市場を創造したのは 間違いなくルンバ です。
しかし、その立場に安住して 「改善」よりも「現状維持」を優先した結果、競争に敗れつつある。
このような状況を、テューレーン大学の ロバート・ウィギンズ教授 は「ハイパー・コンペティション」と呼んでいます。
「持続的な競争優位など存在しない。一時的な優位の連鎖があるだけだ。」
ロボット掃除機に限らず、この現象はあらゆる業界で起こっています。
イノベーションを怠った瞬間、競争に負ける。
では、私たちの仕事はどうか?
私自身も、改めて問いかけました。
「ウチの会社は、今月、今週、ちょっとでいいからイノベーションに挑戦したか?」
これを継続することなしに、ビジネスの発展はないのでしょう。Photo by pboyd04
「震災時に意外と困るもの」— その対策、本当に適切ですか?
震災時、何が一番困ると思いますか? 食料? 水? もちろんそれも大事ですが、実は トイレ が深刻な問題になるんです。
先日のNHK「トリセツショー」でも取り上げられていましたが、避難所のトイレ環境は想像以上に過酷。行列は当たり前、衛生環境は悪化、水分摂取を控える人も…。しかし、それが原因で 脱水症状や感染症のリスク が高まるという悪循環に陥ります。
そんな折、品川区から「震災用の簡易トイレキット」が送られてきました。
防災意識の高まりを感じる一方で、ふと疑問も。
✅ この施策、本当に効果的?
✅ どのくらいのコストがかかっているのか?
✅ 他にもっと優先すべき防災対策はないのか?
ちなみに、品川区長といえば、学校給食の食材をオーガニックに切り替えるという計画で話題になったことも。
「区民の声に応える」という姿勢は評価したいですが、その決定がエビデンスに基づいているのか? 予算配分として適切なのか? は、きちんと検証してほしいものです。
防災対策は「やった感」ではなく、実際に役立つものを。私たちも、どんな施策が本当に必要なのか、改めて考えてみる必要がありそうです。
メルマガ MBAの三冠王 Vol.378 最近話題の業務外注化で見逃せないこと
まずは業務連絡から。
先週お伝えした娘の予備校選びの後日談です。
https://kida.ofsji.org/archives/6427
では、本題。
外注先ってどうやって探しています?
今の時代、あらゆる業務を社内でやる必要はありません…
というか、やっちゃダメ。
ウチの会社のコアの業務は何か?
を絞り込んで、そこに集中。
非コアの業務はアウトソーシング<外注>するのが合理的な戦略です。
最近は、人手不足を解消するためにも注目を集めていますね。
とはいえ、その外注先を見つけるのが最大の課題。
私もまさにそんな苦労をしたところです。
発注したのは、Kindle出版の表紙デザイン。
例の、動画セミナーを文字起こしするというプロジェクトです。
https://kida.ofsji.org/archives/6185
発注の候補は、下記3人。この中から誰を選んだかというと…
- 女性デザイナー (32,000円) https://coconala.com/services/1999941
- 男性デザイナー (6,000円) https://coconala.com/services/1578826
- 出版コンサルタント (5,000円) https://coconala.com/services/2080865
※決め手になったのは値段ではありません
若手の育成を加速するカバン持ち制度
タイムスリップではなかった「カバン持ち」
「カバン持ち」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
偉い社長の後ろをひたすらついて回り、鞄を運ぶだけの平社員——そんな昭和っぽい光景を思い浮かべるかもしれません。
でも、実はこの「カバン持ち」が、スキルの継承に意外なほど役立つというのです。
2025年3月5日付の日経新聞に、みずほ信託銀行の「カバン持ち制度」が紹介されていました。
みずほ信託銀行の「カバン持ち制度」とは?
みずほ信託銀行のコンサルティング部では、1989年の創設以来「カバン持ち」制度を続けてきました。そして今、それを令和版にアップデートし、若手の育成に活用しているそうです。
背景にあるのは、信託業務の専門性の高さ。通常の銀行業務とは違い、不動産や遺言といった高度な知識が求められる領域で、経験の積み方が難しいのです。
さらにもう一つの理由が、コンサルティング部の中心メンバーだった「バブル入社組」の定年。蓄積されたノウハウを次世代に継承するために、「カバン持ち」が有効な手段として見直されているのです。
「カバン持ち」が今こそ必要な理由
こうした課題は、何も信託銀行に限った話ではありません。
日本中の企業で、「ベテランが持つ暗黙知をどうやって若手に伝えるか?」が、今まさに問題になっています。
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)だけでは限界がある中、実践を通じてリアルな学びを得られる「カバン持ち」のような仕組みは、むしろ今の時代にこそ必要なのかもしれません。
あなたの会社でも、先輩の経験を間近で学べる仕組み、考えてみる価値があると思いませんか?