マイクロラーニングのプラットフォームUMU創業者のDongshuo Liさんのセミナーに参加したのでレポートします。UMUの背後にある世界観が分かりました。

マイクロラーニング・プラットフォームUMUとは

まずはUMU。先日のブログでも書きましたが、セミナー中などリアルタイムでアンケートを採るためのツールです…。というのは実はUMUの一側面しか表していなくて、実際のところはマイクロラーニングのためのプラットフォームと言うべき高機能ウェブサービスです。

マイクロラーニングというのは、学ぶべきコンテンツをマイクロ、つまり小分けにして受講者に提供するというものです。日本では「短い動画」というニュアンスで語られることが多いのですが、本場米国ではテキスト(文章)でも、パワーポイントのスライドでもマイクロラーニングと位置づけていました。

お互いに教え合うという世界観

今回Dongshuo Liさんのセミナーを聞いて一番面白かったのは、UMUのなり立ちです。なんでもUMUのアイデアはLiさんがgoogleで働いていたときに思いついたそうなのです。googleでは超優秀な人が集まっていて、お互いがお互いを教え合うというのは当たり前。そのせいもあって、UMUには「お互いに教え合う」という思想が盛り込まれています。

たとえば、UMUの機能で受講者に「ポイント」をあげるというものです。それも、管理者側が細かく設定できるという印象があります。これ、何のためにあるの?と思っていたのですが、先ほどの「お互いに教え合う」という世界観が分かると腑に落ちます。たとえば、受講者のAさん、Bさんがいて、Aさんがオンラインの会議室で質問をしたとしましょう。それにBさんが答えてくれたら、「ありがとう」の代わりにポイントをあげるという運営ができるのではないでしょうか。

これまで企業内の研修というと、講師が受講者に教えるという一方通行の世界観が多かったと思うのですが、このようにお互いに教え合うという流れはより深い学びをもたらす可能性があります。

意外と難しい「お互いに教え合う」

一方で、「お互いに教え合う」というのは、実はそれほど簡単な話ではありません。というのは、「教える」というのは、「知っている人」から「知らない人」に伝達するというのが本質です。これを実現するためには、普段のコミュニケーションとは異なる特殊なスタイルが必要になるのです。

このようなスタイルを身に付けていないと、「伝わらない」、あるいはかえって聞き手の学びにネガティブにはたらく可能性もあります。実際、ある調査によると「教えあうという企業文化が個々人の学びを阻害している」という報告もあったはずです。この観点において、UMUの機能をフルに使いこなすためには、オンラインでないところでコミュニケーションのスキルアップが必要なのかもしれません。

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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