プレゼンテーションのスライドでワンポイントイラストを使う人をときどき見ますが、これはお勧めできません。なぜならば、スライドは見る人によって解釈が異なる余地が大きく、自分の伝えたいことがブレてしまうため。では、なぜ多くの人がワンポイントイラストを使ってしまうのでしょうか。それは、聞き手の興味を惹きつける自信がないからです。その自信のなさをとり繕うのがワンポイントイラストで、いわば本来やるべき事から逃げている証拠ではないでしょうか。そうではなく、ストーリー感で聞き手を惹きつけるのがプレゼンテーション本来の姿です。
プレゼンでは聞き手の興味を惹きつける
そもそもとして、プレゼンをしたからと言って相手が聞いてくれるとは限りません。ときどき、頭の中で別なことを考えている人がいますからね。だから、聞かせる工夫、余計なことを考えさせない工夫が必要です。そして、同じ理解にたどり着いてもらうためにも工夫が必要です。逆に言うと、これを邪魔するものは排除しなければいけないんです。要するにノイズです。イラストというノイズがあることによって自分が伝えたいことが伝わらなくなるリスクが高いんです。
本来的には、相手の興味をかき立てるためにはストーリーにするのが重要です。もうね、ハリウッド映画見たく、冒頭から聞き手を惹きつけて、ストーリーに載せてあげるんです。このテクニックを知っている人は、ワンポイントイラストという逃げに走らなくて済みます。
起承転結はストーリーではない
ちなみに、ストーリーと聞くと、起承転結と思ってしまう人がいますが、これも間違い。って言うかね、どこの誰が言い出したんだか、責任取って欲しいぐらいですけど、起承転結はストーリーとはまったく関係ないです。だって、もともとが漢詩のフォーマットでしょ?李白とか杜甫とかの。要するに、ポエムです。ポエムなら、いいんです。起承ときて、「転」のところでガラッと景色が変わって広がりが出る、みたいな。でも、ストーリーだと「転」で破綻します。整合性がなくなって、あれ?となってしまいます。
ストーリー感のPARLの法則
実はストーリーには、PARLの法則というのがあって、これを身に付けるのが、イラストという「逃げ」に走らなくなる本質的な方法です。なお、最後に念のため。私はこのライブ配信で「イラスト」と言っていますが、これは概念図とはまったく違います。理解を助けるための概念図は、大賛成。たとえばこんなの。
一見難しい損益計算書を理解するために、流しソーメンを題材として概念図を描くというのはお勧めです。私がお勧めしていない、というか排除すべきと思っているのは、あくまでも「余計なイラスト」なので、ご理解下さい
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この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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